いずれ日本でも話題になる――海外発の期待PS2タイトルを先物買い(1/3 ページ)

次世代機タイトルに注目が集まったE3 2006だったが、会場では発売から7年目を迎えたPS2タイトルも注目作が出展されていた。特に人気があった作品、「GOD OF WAR II」など、日本未発表のものを中心に紹介してしたい。

» 2006年05月18日 00時00分 公開
[小林仁,ITmedia]

 PS3、PS2、PSPとPSファミリーの新作タイトルがまんばんなく出展されているE3のSCEブースでは、基本的に発売前や開発中の初出し作品にはすべて“EXCLUSIVE(要は独占スクープってことだ)”のマークがつけられている。ただし、今年のSCEブースにおいてPS2関連の“EXCLUSIVE”なタイトルは「FINAL FANTASY XII」、「YAKUZA」(邦題:龍が如く)、「OKAMI」(邦題:大神)といった日本で発売済みのものや、「MADDEN NFL 07」、「NBA 07 FEATURING the Life Vol.2」といった北米市場向けスポーツゲームが多く、日本側から見るとそれほど新鮮味は感じられなかった。

 とは言え、やっぱりPS2は今でも最大シェアを誇る主力のゲーム機である。よく見ていけばネットワークとEyeToyカメラを使った新しいカラオケコミュニケーション「Sing Star(こちらはPS3版も開発されている。詳細はこちら)」や、人類を破滅させるため地球に降り立った宇宙人の活躍(?)を描くシュール系アクション「DESTRY ALL HUMAN2」、ポストGTA的として期待される「SCARFACE」をはじめ専用タイトル、さらにマルチプラットフォームに組み込まれたスポーツ系の新作タイトルなどなど、作品の量で言えば相変わらずトップクラス。全体を見ればPS2ラインアップはここ近年ないほど円熟度が増し、完成度の高い作品が勢揃いしている印象なのは日本と変わらない。ここではその中から「これはぜひ日本でも発売してもらいたい」、「日本で発売されても話題になるだろう」と思う完全新作をピックアップしてみよう。

PS2最大のサプライズは「GOD of WAR II」、会場は連日大人気

 E3会場に出展されたPS2タイトルの中でもっとも大きな注目を集めていたのが、ギリシャ世界の舞台をモチーフに軍神となった元スパルタの戦士・クレイトスの新たな戦いを描いたアクションアドベンチャー待望の続編「GOD of WAR II」だ。前作「GOD of WAR」は昨年2005年に発表された作品だが、北米や欧州では“2005 Game of the Year”といった数々のユーザーからの人気を総ナメにした良質アクションとして知られているため、E3では連日プレイアブル台の前には次世代ゲーム機タイトルと同じくらいプレイ待ちの人々が終始並び続けていたほど。日本ではまだ見た目の“洋モノ”っぽさから敬遠している人も多いようだが、海外では本作の登場以降“ポストGOW”を目指す作品が増えており、「次世代アクションゲームのベンチマーク」と言えるほど重要な作品となっている(PS3版「Heavenly Sword」などはまさにそのひとつ)。日本版「GOD of WAR 」はカプコンから発売されているので、アクション好きな人はぜひ食わず嫌いせずプレイしておくといいだろう。なお本作も前作と同様、SCEAサンタモニカスタジオが開発を手掛けている。

日本と違い、マジで北米ゲーマーの皆さんは3度のメシよりもFPSやアクションが大好き。「GOD of WAR」シリーズは一発死も多いがコンティニューで即座に復活できる作品なので、20〜30分近くやり続けているプレーヤーも多かった

オープニングは、使命を受けて天空から地上へと飛び降りるクレイタスの姿が。戦いの舞台となるギリシャも荘厳なスケールで描かれており、PS2作品とは思えないクオリティだ

 「GOD of WAR II」のゲームシステムは、前作をそのまま踏襲している。基本的な操作は□ボタンのLight Attack(弱攻撃)と△ボタンのHeavy Attack(強攻撃)、○ボタンのGrab(つかみ)を組み合わせてさまざまなコンビネーションを繰り出し、四方八方から出現する敵をひたすら倒していくだけ。敵を倒し経験値を稼ぐとさらなるコンビネーション攻撃や魔法攻攻撃(弓による遠隔攻撃)も行えるが、昨今のアクションゲームのように「大量の敵をなぎ倒す爽快感」や「要素を詰め込んで複雑なアクションを楽しむ」類のものではなく、内容自体は非常にシンプル。しかしながら敵1体1体の攻撃・攻略法が徹底的に作り込まれているために、プレーヤー側の感覚としては「ひたすら中ボスクラスの敵達と熾烈な攻防を繰り返していく感じ」が味わえ、非常に中身の濃いアクションが楽しめるようになっている。コンビネーション攻撃中でも常にR1ボタン/右アナログスティック入力でガード/緊急回避行動がとれることで「敵の攻撃をぎりぎりまで見切る」というアクション本来の面白さを3Dゲームでうまく表現できている。

コマンド入力でさまざまな軌跡を描いて華麗に敵を殲滅させていく、クレイトス操る神の武器「ブレイズ・オブ・カオス」。スキルが上がると敵を打ち上げてからのコンボをはじめ、さまざまな攻撃バリエーションを堪能できる

 また本作独自のスタイルと言えるのが、敵1体を倒すごとにプレーヤーのテンションを盛り上げる“CSアタック(コンテキスト・センシティブ・アタック)”の導入だ。これはある程度敵の体力を減らし敵の頭上に○や×などのコマンドボタンが表示されてから各種コマンドを連続入力すると、「敵に駆け上って頭上から強烈な一撃を叩き込む」、「力押しで敵の心臓目がけ剣を深く突き刺し絶命させる」といったケレン味あふれるフィニッシュシーンが楽しめるものだ。残虐なシーンでもあるが、このシステムのおかげでプレーヤーはかつてないゲームのテンポを体験できる。さらにステージ各所にはさまざまな仕掛けを解きながらルートを確保する……という謎解き要素もふんだんに入っており、“古典的なアクションアドベンチャーの面白さ”を追体験することができる。

プレイアブルデモの最後に登場するサイクロプスとの戦いがまた熱い。トライアンドエラーでジャンプや緊急回避を使った攻略法を見つけ、最後にCSアタックでトドメを刺す。CSアタック中は画面がズームし、シームレスに見せ場を盛り上げる

鎖鎌を使って壁や天井をよじ登ったりといったロープアクションをはじめ仕掛けも満載。難易度によってアクション性も激変するためハードゲーマーなら何度でも遊べてしまう懐の深さも人気の理由

 なお今作では怪鳥グリフォンに乗って空での戦いが楽しめたりと、さらなるゲーム体験も用意されているが、何よりもキャラクターの動きに自動で追随する3Dカメラの絶妙な動き、練り込まれた敵とのバトル、60フレームでハイレスポンスな操作感、そして硬派なゲーム性と(昔の洋ゲーのようにただ難しいのではなく、やり込むことで攻略法が次第に見えてくる)、洗練されたゲームバランスが顕在だったのがうれしい。完成度は現在40%で、2007年第一四半期発売が予定されている。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2404/25/news016.jpg 「電車の中で見ちゃダメ」「笑ったww」 実家からLINE「子ヤギがすばしっこくて捕まらない」→送られてきた衝撃姿が320万表示!
  2. /nl/articles/2404/23/news090.jpg 誰も教えてくれなかった“裁縫の裏ワザ”が目からウロコ 200万再生のライフハックに「画期的」と称賛【海外】
  3. /nl/articles/2404/21/news011.jpg 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  4. /nl/articles/2404/25/news043.jpg 娘の給食の献立表を見たら…… 正体不明の“謎の料理名”が「これはわからんw」と話題に その意外な正体に納得!
  5. /nl/articles/2404/25/news129.jpg プロ野球チップスでまた“不良品”流出 伊藤大海「176m」表記に続き…… カルビー謝罪「深くお詫び」
  6. /nl/articles/2404/24/news018.jpg 1年半ケージに引きこもっていたシャーシャー猫が、ある夜布団に入ってきて…… 感涙の行動に「まるで別猫」「こんな日が来るなんて」
  7. /nl/articles/2404/24/news017.jpg メルカリで300円の紙モノセットを買ってみたら…… 出品者のあたたかな心遣いに「利益は考えていないんでしょうね」「見ててわくわくします」
  8. /nl/articles/2404/23/news185.jpg 子どもに高級キーボードのパーツを捨てられた → 公式の“先読みしすぎた対応”が話題「そういうこともあろうかと」
  9. /nl/articles/2401/18/news015.jpg 巨大深海魚のぶっとい毒針に刺され5時間後、体がとんでもないことに…… 衝撃の経過報告に「死なないで」
  10. /nl/articles/2404/22/news124.jpg ダイソー「マルチ万能ほうき」が家事ラクの救世主 名前負け知らずの便利さに「これやばっ!!」「220円に驚き」の声
先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」