「龍虎の拳」は100メガショックと言わざるを得ないゲイムマンの「レトロゲームが大好きだ」(1/3 ページ)

連載第74回にして、初めてSNKのゲームを取り上げます。ネオジオの「龍虎の拳」。100メガビットものデータ量を生かして、独特のシステムに加え、ストーリー性も盛り込んだ、人気の対戦格闘ゲームでした。現在でも、Wiiやプレイステーション 2で遊べます。

» 2009年05月01日 15時06分 公開
[ゲイムマン,ITmedia]

「そこら中で派手にやったる」

SNKプレイモアの本社ビルは、旧SNK時代からのもの。江坂の駅前にドンとそびえる

 大阪のキタとミナミをつなぐ大動脈といえる、地下鉄御堂筋線。その北側の終点が、SNKプレイモアの本社がある江坂駅だ。

 ただし終点といっても、線路はさらに北へと続いている。ここから先は北大阪急行電鉄という別会社の路線だが、御堂筋線とは一体運用されている。なかもずから天王寺、なんば、梅田、新大阪を通ってここまで来た電車のほとんどは、そのまま北大阪急行に乗り入れ、千里中央まで至る。

 江坂から北大阪急行でひと駅。緑地公園駅で降りて外に出ると、服部緑地という広い公園がある。面積は甲子園球場の約33倍。ちょうど桜が見頃を迎え、家族連れでにぎわいを見せていた。ちなみに江坂−緑地公園間はたったの80円。北大阪急行は鉄道ファンの間で、初乗り運賃が日本一安い路線として知られている。

服部緑地では桜のほかにポピーなども咲いていた。全国のさまざまな民家を集めた、日本民家集落博物館もある

 北大阪急行は、万国博覧会会場への輸送機関として、1970年に開通した。万博の期間中は千里中央からさらに東へ線路が伸びていて、万博会場まで達していた。

 現在、千里中央と、会場跡地の万博記念公園を結んでいるのが大阪モノレール。伊丹の大阪空港から、千里中央、万博記念公園、そして門真市までつながる長い路線で、さらに万博記念公園から彩都西への支線もある。

 万博記念公園も桜が満開。江坂からはやや離れているが、江坂と同じ吹田市に属する。

 万博記念館で、各パビリオンの展示品やスタンプ、記録映画を見ると、当時の人々が抱いた未来への期待がうかがえる。その反面、当時から見た未来は現在から見れば過去であることを実感し、時の流れを感じてしまう。

 テレビゲームも同じ、というか技術の進歩が速いため、時代の流れも速く感じられる。かつて「100メガショック!」というキャッチフレーズで大容量をアピールしたネオジオのゲームが、今ではWiiのバーチャルコンソールで、ダウンロードできてしまうのだ。

大阪モノレールは、モノレールとしては路線長が何と世界一で、ギネスにも登録されている
万博といえば、岡本太郎氏の「太陽の塔」。万博開催中は、足元をテーマ館の大屋根が囲んでいた
太陽の塔の背中側が、桜並木になっていて、満開の花であふれていた

「すごいゲームを連れて帰ろう」

 家庭用ゲーム機の性能がものすごく高くなった今では考えられない話だが、ほんの十数年前までは、アーケード(ゲームセンター)のゲームを家庭用機に移植しようとすると、かなりのスケールダウンを余儀なくされたものだった。

 例えば、「アウトラン」(セガ)がアーケードに登場したのは1986年だが、この年の家庭用ゲーム機では、ようやくファミコンにディスクシステムが出た頃。アーケードとファミコンでは、それほど差があったのだ。

バーチャルコンソールでも、ネオジオの起動画面は再現されている

 ネオジオはSNKから、1990年、つまりスーパーファミコンと同じ年に登場した。最大の特長は、アーケード用ゲーム基板「マルチビデオシステム(MVS)」と互換性があり、MVSで発売されたゲームが、家庭でもほぼそのままの形でプレイできたことだ。

 そのかわり、価格がかなり高かった。家庭用ネオジオ本体が5万8000円。ゲームソフトは安くても1本1万数千円、高いものは2万円以上(後に3万円を超えるソフトも多数現れた)。いくらアーケードそのままのゲームが遊べるといっても、敷居が高すぎる。そのため当初は、レンタルビデオ店での貸し出しが行なわれていた。初めのうちはソフトがまだ少なかったため、話題にはなっていたものの、実際に触れたプレイヤーは少なかったと思われる。

 そんなネオジオだが、対戦格闘ゲームがブームとなったことで転機を迎えた。「餓狼伝説」(SNK)や「ワールドヒーローズ」(アルファ電子)のヒットにより、これらを家で練習できる、家庭用ネオジオの需要が高まったのだ。

 「100メガショック!」というキャッチフレーズは、1992年からデータ容量が100メガビットを超えるソフトが作られるようになったため、それをアピールしたもの。当時のほかの家庭用ゲーム機では、4メガから16メガくらいのソフトが一般的だったので、100メガという数字はインパクトが強かった。

 そんな100メガビットを超える大容量のソフトが、今日ではWiiのバーチャルコンソールで購入できる。ダウンロードにかかる時間が意外と短いことに、時の流れを感じてしまう。かつては2万円以上したソフトも、今ではたった900Wiiポイントだし。

 さて、容量100メガを超えたソフトの第1弾が、今回取り上げる「龍虎の拳」である。

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2403/26/news158.jpg 元横綱・貴乃花、再婚後の激変ぶりに驚きの声 ヒゲ生やした近影に「ショーケンみたい」「ワイルドー」
  2. /nl/articles/2403/27/news130.jpg 中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
  3. /nl/articles/2403/26/news169.jpg 「『ちゅ〜る』の紅麹色素は大丈夫?」 小林製薬の「紅麹」報道で飼い主に不安広がる
  4. /nl/articles/2403/27/news126.jpg ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
  5. /nl/articles/2403/26/news161.jpg 【まとめ】小林製薬「紅麹」問題 味噌や酒など紅麹原料使用メーカーの自主回収相次ぐ 20社以上が発表
  6. /nl/articles/2403/27/news127.jpg 日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
  7. /nl/articles/2403/20/news067.jpg 「紫のトトロ買った」 “ジブリを1ミリも知らない”友だちから連絡→まさかの正体に爆笑 友だちはその後ジブリを見た?
  8. /nl/articles/2403/26/news016.jpg ドイツ人家族が日本のバウムクーヘンを実食、一番おいしいと絶賛したのは…… 満場一致の結果に「参考になります」「他の食べ比べもお願い」
  9. /nl/articles/2312/30/news041.jpg 「紫のトトロ買った」 “ジブリを1ミリも知らない”友人から連絡→まさかの正体に爆笑「それトトロやない」
  10. /nl/articles/2403/26/news145.jpg 「ご安心ください」 “紅麹ショック”でDHCとファンケルが声明…… サプリ販売は継続中 小林製薬では死亡患者がサプリ摂取
先週の総合アクセスTOP10
  1. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  2. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  3. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  4. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  5. 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
  6. 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
  7. 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
  8. 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
  9. 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
  10. 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
先月の総合アクセスTOP10
  1. 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
  2. パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
  3. “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
  4. 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
  5. 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
  6. 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
  7. 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
  8. “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
  9. 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
  10. 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」