地震、その時Googleは 「1秒でも惜しい」と怒涛の開発、海外にもバトンつないで:今こそIT・ネットの出番(2/2 ページ)
Googleがボランティア募集、5000人協力
3月14日に公開した避難所名簿共有サービスは、技術者ではないスタッフの発案だった。Google日本Blogは「未曾有の大地震と津波の被害に遭われた皆さまのために私たちができることができないか、ずっと考えています。その中で、ひとつのアイデアを実行に移すことにしました」と紹介した。
避難所名簿を写真に撮ってメールで送ると、自動でPicasaウェブアルバムにアップロードし、全体公開する仕組み。さらにGoogleの約200人のスタッフが手作業で写真の情報をテキストに起こし、Person Finderに入力していった。走り書きのメモなど不鮮明な写真も多い中、間違いは許されない根気のいる作業。「みんな血眼になっていた」。
投稿写真が増えるにつれ、Person Finderへの入力作業が追いつかなくなったため、ユーザーにも協力を呼びかけた。集まったボランティアは5000人。入力作業の手順をまとめたWikiページを自発的に作ったユーザーもいた。
PicasaからPerson Finderへ登録した情報は3月29日時点で14万件にのぼった。Person Finderには警察やマスメディアが提供した情報も加わり、現在は60万件以上が登録されている。「Person Finderのおかげで親戚の無事が分かった」と、感謝を伝えるはがきもGoogleに届いた。ネットなどで見かける「ありがとうGoogle」という言葉を励みにしていたと、牧田さんは語る。
震災後、必要とされる情報は日々変化している。Googleが提供するサービスの中心も、Person Finderなどの安否情報から、今後は生活情報へシフトしていく予定だ。「インターネットにアクセス不可能な地域の方に、どのように情報をお届けできるかについては、引き続き模索していく」――Google日本ブログにはこんな宣言も載っている。
現在、Google日本法人のスタッフは以前と変わらず主に東京のオフィスで仕事を続けている。一部の社員は震災後、普段の業務そっちのけで、震災関連のサービス運営にあたってきた。「20%ルールどころか100%フル稼働」と明かす。
「我々のミッションは、情報を整理していかに早く見やすく届けるかということに尽きる。散らばった情報を1つにするのはわれわれにしかできない。疲れていても元気です」と牧田さん。Googleの挑戦は続いている。
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