第8回:ステージクリアの快感をさらに高める、ボーナス得点のアイデアいろいろ:なぜ、人はゲームにハマルのか?(3/3 ページ)
まだまだあります! プレイヤーを夢中にさせるオモシロクリアボーナス
過去の当コラムでも何度か紹介したカプコンの名作シューティングゲーム、「1942」にも面白いクリアボーナスの仕組みが存在します。本作では、クリア時に緊急回避用アイテムである「宙返り」(Rマーク)の残った数と、ステージ内に登場した敵の撃墜率に応じたボーナス得点が加算されるようになっています。
「宙返り」は1個につき1000点が加算されるので何点入るのかはすぐに計算できますが、もうひとつの撃墜率はちょっと変わっています。すべての敵を破壊したときは100パーセントで5万点となり、以下何機かの敵を逃して95〜99パーセントとなった場合は2万点、94〜90パーセントならば1万点……というように、成績が下がるごとに得点もマイナスされる言わば「減点法」のシステムをとっているというわけですね。
ちなみに続編の「1943」では、ボス敵をどれだけ破壊したかを示す破壊率が高いほどクリアボーナスが高得点になるシステムになっています。
この「減点法」を使った面白い例は、タイトーが1986年に発売したアーケードゲームの「黄金の城」と「ハレーズコメット」の両作品においても見ることができます。
「黄金の城」は主人公の騎士ガリアノスを操作して、剣と盾を駆使して敵と戦うアクションゲーム。本作ではクリア時の報酬として敵に壊された主人公の鎧のパーツがすべて再装着されるようになっています。このとき、残っていたパーツが多いほどボーナス得点が高くなる、つまり敵の攻撃を受けずに進める上手な人ほどたくさんスコアが稼げる仕組みになっているというわけですね。
一方「ハレーズコメット」は、太陽系の惑星をハレー彗星(敵)の攻撃から守り抜くという壮大なストーリーのシューティングゲーム。もし敵を倒し損ねて画面外に逃がしてしまうと、惑星が攻撃されてダメージを受けるというユニークなシステムを搭載しています(※ダメージは画面右下にパーセント単位で表示されています)。
本作では3ステージをクリアするごとにボーナスが入るようになっていて、星のダメージが大きくなるたびに得点がどんどん減らされるルールになっています。この面白いアイデアによって、プレイヤーはたくさん敵を倒して得点を稼いでやろうとモチベーションが上がるとともに、「何としてでも星を守ってやる!」という、まるで正義のヒーローにでもなったのような使命感がわいてきてゲームにますますハマッてしまいますよね?
ちなみに「ハレーズコメット」では、星のダメージが100%になるとその時点で即ゲームオーバーになってしまいます。使命を守れなかったプレイヤーに対する、まさにこれ以上ないペナルティというわけですね(笑)。
次回も引き続き、プレイヤーが思わず夢中になってしまうスコア(得点)アップの仕組みをムービーおよび画面写真にて実例を示しながらお届けしていきたいと思います。どうぞお楽しみに!
今回登場したソフトはココで遊べます!
- 「忍者くん」:Wiiバーチャルコンソール(配信中)
- 「ロードランナー」:Wiiバーチャルコンソール(配信中)
- 「ロードファイター」:PS用ソフト「コナミ80'sアーケードギャラリー」
- 「アルゴスの戦士」:Wiiバーチャルコンソール、Xbox用ソフト「テクモクラシックアーケード」
- 「1942」:PS2用ソフト「カプコン クラシックス コレクション」、Wiiバーチャルコンソール(配信中)
- 「黄金の城」:PS2用ソフト「タイトーメモリーズ2上巻」
- 「ハレーズコメット」:PS2用ソフト「タイトーメモリーズ2下巻」
著者プロフィール
鴫原 盛之 Morihiro Shigihara
1993年よりゲーム雑誌および攻略本などでライター活動を開始。その後、某メーカーでのグッズ・店舗開発や携帯コンテンツの営業、ゲームセンター店長などの職を経て、2004年よりフリーに。現在は各種雑誌やwebサイトでの執筆をはじめ、某アーケードゲームの開発なども手掛ける。著書は「ファミダス ファミコン裏技編」(マイクロマガジン社)、「ゲーム職人第1集 だから日本のゲームは面白い」(同)の他、共著によるゲーム攻略本・関連書籍を多数執筆。近刊は共著「デジタルゲームの教科書 知っておくべきゲーム業界最新トレンド」(ソフトバンククリエイティブ)がある。
Twitterは「@m_shigihara」です。
(著者近況)
3月11日に発生した東日本大震災の被害にあわれた皆様には心よりお見舞いを申し上げます。
現在、筆者は普段お仕事などを通じてお世話になっているゲーム業界関係者のご協力のもと、義援金を寄付するためのチャリティイベントの準備を進めております。正式に開催が決まりましたら、上記のツイッターなどを通じて告知させていただきますので、もしご興味のある方はご協力のほどよろしくお願いいたします!
関連記事
- なぜ、人はゲームにハマルのか?:第7回:ハイスコア更新は常に命がけ! 「ボーナス獲得=ハイリスク」の法則
「なぜ、人はゲームにハマルのか?」をまじめに考察する不定期企画の7回目は、ハイリスクハイリターンをゲームで解説いたします。 - なぜ、人はゲームにハマルのか?:第6回:ハラハラドキドキ感を演出するゲームサウンドの魅力
「なぜ、人はゲームにハマルのか?」をまじめに考察する不定期企画の6回目は、ゲームにおけるサウンドの重要性について紐解きます。 - なぜ、人はゲームにハマルのか?:第5回 ゲームをより面白くする「4ステージ1セットの法則」
「なぜ、人はゲームにハマルのか?」をまじめに考察する不定期企画の5回目は、ゲームに秘めたる「4」の数字を紐解きます。 - なぜ、人はゲームにハマルのか?:第4回ピンチの後にはチャンスあり! プレイヤーへの爽快感を高める「逆転の法則」
スポーツでもゲームでも、味方と敵とで好守が逆転するシステムは実はコンテンツを面白くする普遍的な要素なのかも? - なぜ、人はゲームにハマルのか?:第3回「なぜ、ゲームではステージ数の表示方法にこだわるのか?」
「ディグダグ」「ギャラガ」など、ステージ数の表示方法には、プレイヤーをついつい夢中にさせる驚きの仕掛けが! - なぜ、人はゲームにハマルのか?:第2回「なぜプレイヤーは“ハイスコア”に夢中になるのか?」
いわゆる「ハイスコア」の存在が大きかったのではないでしょうか? - なぜ、人はゲームにハマルのか?:第1回「なぜ、プレイヤーはマニュアルを読まなくてもゲームを遊べるのか?」
「ドラクエ」「スーパーマリオ」の記録的大ヒットの秘密は、ゲーム序盤のシーンに隠されていた! - 大人がたしなむゲーム講座
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
-
元横綱・貴乃花、再婚後の激変ぶりに驚きの声 ヒゲ生やした近影に「ショーケンみたい」「ワイルドー」
-
中山美穂、金髪&ミニ丈の大胆イメチェンに視聴者びっくり! “格付け”出演の最新ビジュアルに「誰だか分からなかった」
-
「『ちゅ〜る』の紅麹色素は大丈夫?」 小林製薬の「紅麹」報道で飼い主に不安広がる
-
ミス筑波大モデル、25キロ減量したビフォーアフターに「ホント凄い」 整形疑う声も「元々は埋もれてたようですね」
-
【まとめ】小林製薬「紅麹」問題 味噌や酒など紅麹原料メーカーの自主回収相次ぐ 20社以上が発表
-
日本エレキテル連合・中野、ネタで酷使し容姿に異変→手術を決断 「ダメよ〜、ダメダメ」でブレイク、2022年にがん公表
-
「紫のトトロ買った」 “ジブリを1ミリも知らない”友だちから連絡→まさかの正体に爆笑 友だちはその後ジブリを見た?
-
ドイツ人家族が日本のバウムクーヘンを実食、一番おいしいと絶賛したのは…… 満場一致の結果に「参考になります」「他の食べ比べもお願い」
-
「紫のトトロ買った」 “ジブリを1ミリも知らない”友人から連絡→まさかの正体に爆笑「それトトロやない」
-
「ご安心ください」 “紅麹ショック”でDHCとファンケルが声明…… サプリ販売は継続中 小林製薬では死亡患者がサプリ摂取
- 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
- フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
- 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
- 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
- 田代まさしの息子・タツヤ、母の逝去を報告 「あんなに悲しむ父親の姿を見たのは初めて」
- 「遺体の写真晒すのはさすがに」「不愉快」 坂間叶夢さんの葬儀に際して“不適切”写真を投稿で物議
- 大友康平、伊集院静さんの“お別れ会”で「“平服でお越しください”とあったので……」 服装が浮きまくる事態に
- 妊娠中に捨てられていた大型犬を保護 救われた尊い命に安堵と憤りの声「絶対に許せません」「親子ともに助かって良かった」
- 極寒トイレが100均アイテムで“裸足で歩ける暖かさ”に 今すぐマネできるDIYに「これは盲点」「簡単に掃除が出来る」
- 「奥さん目をしっかり見て挨拶してる」「品を感じる」 大谷翔平&真美子さんのオフ写真集、球団関係者が公開
- 釣れたキジハタを1年飼ってみると…… 飼い主も驚きの姿に「もはや、魚じゃない」「もう家族やね」と反響
- パーカーをガバッとまくり上げて…… 女性インフルエンサー、台湾でボディーライン晒す 上半身露出で物議 「羞恥心どこに置いてきたん?」
- “TikTokはエロの宝庫だ” 女性インフルエンサー、水着姿晒した雑誌表紙に苦言 「なんですか? これ?」
- 1歳妹を溺愛する18歳兄、しかし妹のひと言に表情が一変「ちがうなぁ!?」 ママも笑っちゃうオチに「かわいいし天才笑」「何度も見ちゃう」
- 8歳兄が0歳赤ちゃんを寝かしつけ→2年後の現在は…… 尊く涙が出そうな光景に「可愛すぎる兄妹」「本当に優しい」
- 1人遊びに夢中な0歳赤ちゃん、ママの視線に気付いた瞬間…… 100点満点のリアクションにキュン「かわいすぎて鼻血出そう!」
- 67歳マダムの「ユニクロ・緑のヒートテック重ね着術」に「色の合わせ方が神すぎる」と称賛 センス抜群の着こなしが参考になる
- “双子モデル”りんか&あんな、成長した姿に驚きの声 近影に「こんなにおっきくなって」「ちょっと見ないうちに」
- 犬が同じ場所で2年間、トイレをし続けた結果…… 笑っちゃうほど様変わりした光景が379万表示「そこだけボッ!ってw」
- 新幹線で「高級ウイスキー」を注文→“予想外のサイズ”に仰天 「むしろすげえ」「家に飾りたい」