第9回:テクニック・イズ・スコア! プレイヤーに「ゲームがもっとうまくなりたい!」と思わず夢中にさせてしまう得点アップの仕組みなぜ、人はゲームにハマルのか?(2/3 ページ)

» 2011年04月28日 09時46分 公開
[ITmedia]

対戦格闘ゲームの爽快感がさらに増す絶妙のテクニカルボーナスとは?

 今度はジャンルをガラリと変えて、対戦格闘ゲームにおけるテクニカルなボーナス得点システムの例を見てみましょう。

 次に紹介するプレイ動画は、データイーストというメーカーが1984年にアーケードゲームとして発売した「空手道」です。本作は突き技や蹴り技を駆使して、相手より先に「一本」を2回取れば勝ちとなるルールになっています(※ヒットした攻撃が「技あり」と判定された場合は、「技あり」を2回決めると合わせ技で「一本」になります)。

 本作では、相手に攻撃がヒットするたびに個々の技ごとに決められた得点が入るようになっています。技によって得点が変わる様子は、用意したムービーを見ていただければ誰の目にも明らかでしょう。

 技の種類は「一本」が取れる技と「技あり」にしかならないものとで大きく2種類に分けられますが、この分類の基準となっているのは技の入力方法です。本作は4方向レバーを2本使って操作する仕組みになっているのですが、「技あり」にしかならない技は1本のレバーを動かすだけで出せるのに対して、「一本」がとれる技は2本のレバーを組み合わせたコマンドを入力しないと出すことができません(※)。

※筆者注:右のレバー1本を上に入れるだけで出せる「回し蹴り」だけは「一本」の対象となる唯一の例外。ただし、実戦で決めるのは非常に難しいです……。
ムービー「空手道」
※Wiiバーチャルコンソール版を使用。
(C)G-mode / (C)2010 HAMSTER Co.
PRODUCED BY DATA EAST
(C) COPYRIGHT 1984
DATA EAST SORPORATION

 さらにムービーをよく見ると、同じ技を決めても状況によって得点が異なるケースがあることが分かります。みなさん気付かれましたか? 実は本作では、同じ技でも決まるタイミングが悪かったときには得点がなんと半分に減点されてしまうことがあるのです。しかも、本来は決まると「一本」になる技の得点が半分になった場合は「技あり」に格下げされてしまうマイナスポイントも生じるのです。減点されてしまったときにはちょっと悲しくなりますが、逆にドンピシャのタイミングで技が決まって「一本」が取れたときは気分爽快です。

 もう随分昔に出たゲームですが、こうして見るとなかなかどうして奥深い作品であることがわかって実に興味深いですよね。

 これと同じような例が、カプコンが1991年に発売して対戦格闘ゲームの一大ブームを巻き起こした「ストII」こと「ストリートファイターII」にも存在します。

 ハイ、それではここでまたまたクイズです! ムービー内に登場している白い胴着姿の格闘家であるリュウが、必殺技の昇龍拳をヒットさせたときの得点の入り方が状況によって異なる場合があるのですが、この得点の違いはどのような理由で発生するのでしょうか?

ムービー:「ストリートファイターII」
※PS2版「カプコン クラシックス コレクション」を使用。
(C)CAPCOM CO., LTD. 2005,2006
(C)CAPCOM U.S.A., INC. 2005,2006 ALL RIGHTS RESERVED.

 正解は、対戦相手をギリギリまで引きつけてヒットさせたときが1000点、それ以外の場合は300点になるからです。敵を引きつけるということは、もし技を出すタイミングが遅れるとそれだけ相手の反撃を受けてしまうリスクが拡大することになります。しかし、「1000点ヒット」に成功すれば得点が稼げるのと同時に、相手に与えるダメージも大きくなる効果があるので、上手な人ほどより有利に戦えるメリットもあるのです。

 また本作の続編にあたる「ストII'(ダッシュ)」では、最後に必殺技を当てて相手をKOすると通常の3倍の得点がボーナスとして入るルールが新たに追加されました。このようなボーナス得点のアイデアを盛り込むことで、相手にトドメを刺したときの爽快感をより高める効果があると言えるでしょう。さらに1993年に登場した「スーパーストリートファイターII」では、2回以上連続で技をヒットさせるとコンボボーナスが加算されるシステムが新たに導入されました。例えば、3回連続でヒットさせたときには「3HIT COMBO」と画面に表示され、ヒット数および使用した技に応じたボーナス得点が入ります。このシステムは現在でも多くの対戦格闘ゲームに採用されていますので、対戦格闘ゲーム好きの方にはどなたでもおなじみでしょう。

 「ストII」シリーズに限らず、対戦格闘ゲームにおいてはどのキャラクターを使っても必殺技を出すためには複雑なコマンド入力が必要です。何度も練習を繰り返して、いつでも自由に技が出せるようになったときにはとても嬉しくなりますが、このようなスコアアップの仕組みを加えることでその喜びがさらにアップしますよね!

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「妹が入学式に着るワンピース作ってみた!」 こだわり満載のクラシカルな一着に「すごすぎて意味わからない」「涙が出ました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」