「一切ポリゴンを使っていない超リアルな3DCG」ってどういうこと?日々是遊戯

オーストラリアのゲーム会社・Euclideonが開発しているという、新しい3DCG技術が話題になっています。ポリゴンを使わずに、どうやって立体物を表現しているのか?

» 2011年08月03日 09時53分 公開
[池谷勇人,ITmedia]

ポリゴンが不要になる時代も来る?

 オーストラリアのゲーム会社が、ある画期的なCG技術を開発しているそうです。

 この技術は「Unlimited Detail Technology」と呼ばれ、従来の3DCGに比べ、より細部まで正確に立体物を表現できる点が特徴。そして何と言っても、「ポリゴンを使っていない」という点で多くのユーザーを驚かせました。

 私たちが普段見ているCG映像の多くは、ポリゴンと呼ばれる多角形の「板」を無数に組み合わせることで立体物を描いています。しかしこの「Unlimited Detail Technology」ではポリゴンの代わりに、微細な「粒」を組み合わせて物体を表現。ポリゴンの場合はどうしても、アップで見ると板の継ぎ目がカクカクして見えてしまいますが、この方法なら理論上、どんな複雑な形の物体でも正確に再現することが可能なのだそうです。

 百聞は一見にしかず、まずはYouTubeに投稿された、こちらの技術デモをご覧ください。


 実はこの技術自体は昨年すでに発表されていましたが、今回久々に公開されたデモでは、「Unlimited Detail Technology」の表現力を分かりやすく伝えるため、縦横1キロメートルの「島」を構築。この島は前述のとおり、すべて小さな粒子の集まりでできており、ポリゴン数に換算すると約21兆ポリゴン分に相当するのだそう。

 “21兆ポリゴン相当”の威力はヤシの木や岩、木の葉などの自然物によく現れていて、従来はどうしてもポリゴン数を削られがちだったこれらの物体も、まるで本物のような緻密さ、なめらかさで描かれているのに驚かされます。よく見ると地面も平らではなく、ちゃんと土の粒の集まりになっているのが分かる。動画の説明によると、1平方メートルの地面につき1500万ポリゴン換算の粒子が使われているのだそうです。

 動かすのにどれくらいのスペックがいるのかは不明ですが、デモを動かしているマシン上では少なくとも秒間20フレーム以上で動作しているとのこと。この技術自体はまだ開発途上ですが、数カ月以内に開発者向けに開発ツールをリリースする予定もあるそうなので、今後の動きにぜひ注目したいところです。

木や岩などのデコボコも自然に再現。ちなみに2枚目の岩は、本物の岩をスキャンして取り込んだものだそうです

「Unlimited Detail Technology」の技術イメージ。従来のような「面」ではなく「点」の集合で立体物を描いています

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  2. 富山県警のX投稿に登場の女性白バイ隊員に過去一注目集まる「可愛い過ぎて、取締り情報が入ってこない」
  3. 2カ月赤ちゃん、おばあちゃんに少々強引な寝かしつけをされると…… コントのようなオチに「爆笑!」「可愛すぎて無事昇天」
  4. 異世界転生したローソン出現 ラスボスに挑む前のショップみたいで「合成かと思った」「日本にあるんだ」
  5. 【今日の計算】「8+9÷3−5」を計算せよ
  6. 21歳の無名アイドル、ビジュアル拡散で「あの頃の橋本環奈すぎる」とSNS騒然 「実物の方が可愛い」「見つかっちゃったなー」の声も
  7. 1歳赤ちゃん、寝る時間に現れないと思ったら…… 思わぬお仲間連れとご紹介が「めっちゃくちゃ可愛い」と220万再生
  8. 業務スーパーで買ったアサリに豆乳を与えて育てたら…… 数日後の摩訶不思議な変化に「面白い」「ちゃんと豆乳を食べてた?」
  9. 祖母から継いだ築80年の古家で「謎の箱」を発見→開けてみると…… 驚きの中身に「うわー!スゴッ」「かなり高価だと思いますよ!」
  10. 「ゆるキャン△」のイメージビジュアルそのまま? 工事の看板イラストが登場キャラにしか見えない 工事担当者「狙いました」
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」