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» 2012年12月17日 15時15分 UPDATE

売れるのには理由がある 番外編:プレイヤーを置き去りにしていた? 「UFOキャッチャー」だけじゃない、セガの大型筐体ラインアップ

「創造は生命」がセガの社是。アーケードゲームに新技術を導入するという使命感を。

[種子島健吉,ITmedia]

「キッズ屋台村」シリーズ

画像画像 キッズ屋台村シリーズ第一弾「金魚すくい」

セガ・ロジスティクスサービス 営業企画部 廣田進氏

―― 開発コンセプトはどんなものでしたか?

廣田氏 当時、家庭用ゲーム機、スマートフォンアプリなどゲーム内容が、どんどん複雑になっていました。それに負けじとアミューズメントゲーム機もより複雑に、より深い内容になってしまって、気軽に遊びたいプレイヤーの皆さんを置き去りにしてしまっていたのだと思います。

 そういった事情で、気軽に遊ぶことができるアミューズメントゲーム機を目指して開発しました。「キッズ屋台村」シリーズというネーミングも、お祭りのように誰でも気軽に足を運べる楽しそうな空間を演出したい、そんな願いが込められたものです。だから、複雑な操作や難しいルールなどを極力廃しているのです。

―― 開発中エピソードで印象的だったことはありますか?

廣田氏 「メダルゲームに、メダルが大量に払い出されるジャックポットがないのはおかしい!」という反対意見があったのですが、「このゲームのプレイヤーは、メダルが欲しくてプレイするのではない!」という確信があったので、そのままにしました。後から考えてみれば、メダルゲームの根本的な部分を覆す要素だったので反発も大きかったのだと思います。

―― どれがいちばんおすすめの機種ですか?

廣田氏 「キッズ屋台村」シリーズは、「金魚すくい」「射的」「たこ焼き」という順番でリリースされたのですが、もともと、3機種セットで完成するイメージで開発していました。その中でもやはり「金魚すくい」が老若男女、人種を超えてすべてのプレイヤーに楽しんでもらえると自信を持っているタイトルです。

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廣田氏 実は、屋台がテーマではないので「屋台村シリーズ」の名前は付けていないのですが、同じ筐体を使用した第四弾として「メダルdeファンタジーゾーン」もリリースしています。コンセプトは変わらず、「初めてプレイしても楽しんでもらえるように」というものですので、ぜひともプレイしてみてください。

画像 Let's GO ISLAND 3D

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セガネットワークス 編成局 編成3課 大江真徳氏

―― 開発コンセプトはどんなものでしたか?

大江氏 テレビなど家電製品でも次々と3D技術への対応が進み、3Dコンテンツに対する注目度やニーズが高まる中で、いち早く裸眼3D技術を採用するというのが開発コンセプトでした。そのため、アクションガンシューティング「Let's GO JUNGLE!」をベースとして、さらに迫力のある立体映像を楽しめるようにしたのが「Let's GO ISLAND 3D」です。

 「創造は生命」がセガの社是なのですが、そういったところからもアーケードゲームに新技術を導入するという使命感が生まれました。また、3Dメガネでなく裸眼3Dという点にも徹底的にこだわりました。不特定多数のプレイヤーが利用する、アミューズメント施設のゲーム機だからこその工夫です。

―― どういった楽しさのあるゲームでしょうか?

大江氏 すでに稼働していた「Let's GO JUNGLE!」、そのアクションガンシューティングの楽しさに加えて、裸眼3Dと噴出エアーという二大要素でさらにエキサイティングなものになっています。

 「Let's Go ISLAND 3D」のゲーム内容は、自分探しの旅に出た女性と現地のガイドの二人がトラブルに巻き込まれ冒険を繰り広げるというものですが、そのさまはさながらドタバタコメディーです。美しい南国のリゾート地を舞台に、立体映像で迫りくる巨大なモンスターを撃ちまくるという、理屈抜きで楽しめるところも魅力でしょう。

大江氏 操作系も分かりやすく、マシンガン風のガンコントローラーを上下左右に動かして敵を狙い、トリガーを引きっぱなしにして撃破。連射やリロードなどの操作がなく、誰でも爽快に楽しめます。2人同時プレイでは、相性診断があって、どれだけ息があっているか表示されるのもカップルにおすすめできる点ですね。

大江氏 ゲーム内のキャラクターや敵の動きに連動して、プレイヤーの前後4カ所から強力なエアーが噴射される機能もあります。立体映像や音だけでなく、顔や全身で「風」を感じることができるのも臨場感を高めることに役立っています。従来のアーケードゲーム機では、コストやコンプレッサーのメンテナンスなどの問題から、導入している機械が少なかったのでこの機能は画期的なものなのです。

 エアー噴射機能の搭載に際しては、まず従来よりもコンプレッサーの値段が下がっていたことが追い風になったのは確かです。しかし、まだまだ、「コンプレッサーは高いもの」という認識が社内では強く、搭載には反対意見も多かったのが現実でした。それでも、エアーの実験で手ごたえを感じていた開発チームでは、スピーカーやウーハーを自作することなどで全体のコストを調整し、コンプレッサー搭載にこぎ着けることができました。

 さらにメンテナンスを容易にするために、パイプの目詰まりなどを防ぐオートドレン機能を搭載し、コスト面と機能面の両立を図ることで製品としての質も高めています。

―― 何を一番大事にして開発しましたか?

大江氏 筐体の内部に、立体映像を表示できる52インチの大型3Dディスプレイを搭載しています。このディスプレイを選定する際に、3D専用メガネを装着するタイプと裸眼3Dタイプの両方を検討しましたが、大人から子供まで、またメガネをかけている人でも気軽にプレイできる点や、不特定多数の人が衛生的にプレイできる点を考慮して、専用メガネのいらない裸眼3Dタイプを採用することにしました。

 3Dディスプレイは、パララックス・バリアー方式による裸眼3Dを実現しています。パララックス・バリアー方式とは、液晶パネルの前面に特殊なフィルターを貼り付け、格子状の隙間から左右の目に別々の映像を送り込むことで、立体映像を体感できる仕組みです。

 ただ、左右の画像を1枚ずつ表示する簡易な2視点タイプでは立体視できる位置範囲が狭すぎることから、5枚の画像を利用して立体映像を作り出す5視点タイプを採用しています。これにより、視点が移動しても適切な立体映像が得られやすくなり、複数のプレイヤーや観客が同時に立体映像を楽しむことができるのです。

―― 開発中のエピソードで印象に残っていることはありますか?

大江氏 「Let's Go ISLAND」が一人称視点の自動進行型ガンシューティングゲームですので、立体化の処理を追加すれば臨場感や3D感が得られるだろうと開発当初は思っていました。ところが、いざ開発を進めてみるとそれだけでは思ったような効果が得られませんでした。開発陣一同、焦りを感じずにはいられない瞬間だったのですが、最終的には登場するエネミーの配置やサイズ、動き方などを細かく調整し、それでも不足を感じる部分には背景物を追加したり、カメラ(視点)が背景ぎりぎりを通るように変更したりしました。

 ゲームスタート時は特に強いインパクトが必要ですので、オープニングムービーも完全に作り直しています。想定外の作業でしたが、手間をかけた甲斐があり非常に臨場感のある画面作りができました。

―― 開発でいちばん大変だった部分はどこでしょうか?

大江氏 開発作業で最も苦労したのは、「最適視聴ポイント」を設定することです。メガネ式の3Dゲームではどこに座っても3Dに見えます。しかし、裸眼3Dの場合はいちばん良く3Dに見える位置、座り位置の調整が大変難しいため、何度も試行錯誤を重ねました。サプライヤー(ディスプレイ開発協力メーカー)側の技術上、ディスプレイにわずかな個体差が生じるため、ガンコントローラーの位置を決めるだけでは、きちんと立体視できないケースがあったためです。具体的には、オリジナルの調整プログラムを開発し、アミューズメント施設など現場で微調整できるようにしました。また、ゲーム前にプレイヤー自身が座る位置を調整して、最適ポイントを探す時間も設けています。

―― プレイ後の感想で興味深いものなどはありましたか?

大江氏 飛び出すクリーチャーや噴出するエアーに歓声が絶えず、その声に惹かれてお客さんが集まるシーンも多々あり、あまりゲームをしない人たちにも楽しんでもらえました。そんな中で「最近のゲームってすごいね!」といっていただけたのは、本当に開発者冥利に尽きると思います。

―― プレイヤーの皆さんへメッセージをお願いします。

大江氏 現在、劇場公開の映画などでも3D上映が定着し、皆さん日常的に3D映像を楽しんでらっしゃると思います。本作はそんな3Dの楽しみに加え、アミューズメント施設ならではのシアター筐体とエアーによる体感。そして映画では味わうことができはない、インタラクティブ性を持ったアトラクションゲームです。ご家族やカップルでアミューズメント施設を訪れた際は、一度筐体後ろの窓から画面を覗いてみてください。きっと遊んでみたくなるような世界がそこにはあると思います。女子高生やカップルなどいわゆるライトユーザーにも、ぜひプレイしていただきたいゲームです。ゲームがシンプルで、誰でも声を上げて楽しんでもらえる点が本作最大の魅力だと思います。

それだけでない多種多様なセガの大型筐体

 セガといえば、「UFOキャッチャー」や上記の筐体に加えて、レーシングものからガンシューティングものまで多種多様な大型筐体ゲームを開発しているが、最近、忘れてならないといえば、いわゆる音ゲーだろう。そんな音ゲーの中でも、ダンスの要素を取り入れた新感覚のリズムゲームが「maimai」だ。

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 円形のタッチスクリーンを中央に配するというという筐体デザインと、スクリーンと周囲のボタンを操作することで、踊っているような動きを演出するなど、斬新なプレイ感覚が持ち味の「maimai」。12月13日からは順次バージョンアップが行われ、様々なジャンルの楽曲が追加される予定だ

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 プレイ動画を撮影するだけでなく、ニコニコ動画へアップすることも可能で、その機能を使用した「maimaiガール」を決定するコンテストなども行われた。また、maimaiからのプレイ動画を集めた「maimaiまとめサイト」では、リアルタイムで全国のユーザーの投稿動画を観ることができるので注目だ。セガの大型筐体ゲームは、アミューズメント施設にのみにとどまらない展開を見せている。

(C)セガ


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