トッププロの三浦八段も参戦決定――コンピューターvsプロ将棋棋士「第2回電王戦」が3月より開催

東京・六本木のニコファーレで開催された記者発表には、三浦弘行八段をはじめとする参戦棋士5名と、コンピューター将棋開発者5チームが参加。先手・後手を決める「振り駒」も行われた。

» 2012年12月17日 18時28分 公開
[ITmedia]

 日本将棋連盟とドワンゴは12月15日、2013年に開催されるコンピューター将棋とプロ将棋棋士で行われる棋戦「第2回電王戦」について記者発表を行い、開催スケジュールおよび出場プロ棋士を発表した。

第1局はプロ棋士が先手に

 「電王戦」は、今年1月に第1回が開催され、その際は元トッププロ棋士の米長邦雄永世棋聖(日本将棋連盟会長)と2011年の「世界コンピュータ将棋選手権」優勝プログラムのボンクラーズが対局。ボンクラーズが勝利を収めている。この結果を受け、第1回の対局終了直後、第2回では現役プロ棋士5名と「世界コンピュータ将棋選手権」上位5プログラムが対戦することが発表されている。コンピューター側の代表を争う「世界コンピュータ将棋選手権」は5月に東京・電気通信大学で開催され、激戦の末GPS将棋・puella α・ツツカナ・Ponanza・習甦が代表と決定。受けて立つプロ棋士側がどのような代表を送り込んでくるのかが、将棋ファンの間では注目を集めていた。

 六本木のイベントスペース「ニコファーレ」で開催された発表会見には、日本将棋連盟で本棋戦を担当する北島忠雄理事、棋戦を主催するドワンゴの川上量生社長が登場。新たにプロモーションビデオの上映後、参加するプロ棋士そしてコンピューター将棋プログラム開発チームが紹介された。続いて、川上社長による先手・後手を決める「振り駒」が行われ、第一局の先手番がプロ棋士側に決定。第2局以降はコンピューター側と交互に先手・後手を入れ替えて対局し、それぞれの対戦は以下の通りと決まった。ちなみに、現在のところ将棋では先手が若干有利とされており、先手番が3局あるプロ棋士側にとっては待望の振り駒となった。

対局日対局者・ソフト(左側が先手)
第1局2013年3月23日(土)阿部光瑠四段−習甦
第2局2013年3月30日(土)ponanza−佐藤慎一四段
第3局2013年4月6日(土)船江恒平五段−ツツカナ
第4局2013年4月13日(土)Puella α−塚田泰明九段
第5局2013年4月20日(土)三浦弘行八段−GPS将棋

今回参戦するコンピューター将棋ソフトの開発チーム。前列左から「習甦」の竹内章氏、「ツツカナ」の一丸貴則氏、「GPS将棋」の田中哲朗氏、日本将棋連盟の北島忠雄理事。後列左から「Ponanza」の山本一成氏、puella αの伊藤英紀氏、「GPS将棋」の森脇大悟氏
コンピューター将棋の挑戦を受けて立つプロ棋士たち。左から三浦弘行八段、塚田泰明九段、船江恒平五段、佐藤慎一四段、阿部光瑠四段
会場ではドワンゴの川上社長による振り駒を実施。結果は第1局はプロ棋士側の先手に決定

 ここで、今回参加するプロ棋士がどのぐらいの強さなのかを、簡単に紹介しておく。プロの将棋棋士は、原則として上位から順にA級、B1級、B2級、C1級、C2級の5リーグに分かれ、1年をかけたリーグ戦「順位戦」を戦い、最上位のA級で1位の棋士が名人へ挑戦するシステムとなっている(一部、リーグ戦を戦わない「フリークラス棋士」も存在)。この所属リーグが棋士の現在の強さを表す「格」とされており、今回対局する5人の所属リーグは次のようになっている。

  • C2級: 阿部光瑠四段・佐藤慎一四段
  • C1級: 船江恒平五段・塚田泰明九段
  • A級: 三浦弘行八段

 阿部四段は、佐藤四段、船江五段はそれぞれプロ2年目、4年目、2年目の「期待の若手棋士」。塚田九段は「塚田スペシャル」という戦法で一世を風靡した元A級棋士で、「実力いまだ健在のベテラン」。そして、三浦八段はA級に12年連続在籍中で、2010年にはA級1位となり名人挑戦も果たしている「現役トッププロ」である。三浦八段は、今回の参戦を決めた理由について、次のように語っている「オファーがあった時点で、トップクラスを1人という話だったので、誰かがやらなくてはいけない。いずれコンピューターと戦うのであれば早いほうがいいだろう、ということで今回参加することにしました」。

 また、質疑応答のなかで、今回の対戦ルールについても説明が行われた。なお、コンピューターの使用電力制限については東京将棋会館の設備上から来るもので、リモート接続されるマシンについての制限はない。

第2回電王戦 対局ルール

  • 対局会場は東京将棋会館で午前10時開始
  • 持時間は各4時間(切れたら1手1分)
  • コンピューター側の使用電力は最大2800W(リモートマシンは制限なし)
  • 千日手の場合、持ち時間が少ない段階で成立した場合には指し直しなしで無勝負
  • 対局の結果に関わらず第5局まで実施

 なお、各対局はニコニコ生放送で対局開始から終了まで生中継が行われる(中継サイトはニコニコ生放送内「電王戦特設サイト」からのリンクを参照のこと)。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

先週の総合アクセスTOP10
  1. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  2. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  3. 安達祐実、成人した娘とのレアな2ショット披露 「ママには見えない!」「とても似ててびっくり」と驚きの声
  4. 兄が10歳下の妹に無償の愛を注ぎ続けて2年後…… ママも驚きの光景に「尊すぎてコメントが浮かばねぇ」「最高のにいに」
  5. “これが普通だと思っていた柴犬のお風呂の入れ方が特殊すぎた” 予想外の体勢に「今まで観てきた入浴法で1番かわいい」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評
  8. お花見でも大活躍する「2杯のドリンクを片手で持つ方法」 目からウロコの裏技に「えぇーーすごーーい」「やってみます!」
  9. 弟から出産祝いをもらったら…… 爆笑の悲劇に「めっちゃおもろ可愛いんだけどw」「笑いこらえるの無理でした」
  10. 3カ月の赤ちゃん、パパに“しーっ”とされた反応が「可愛いぁぁぁぁ」と200万再生 無邪気なお返事としぐさから幸せがあふれ出す
先月の総合アクセスTOP10
  1. フワちゃん、弟の結婚式で卑劣な行為に「席次見て名前覚えたからな」 めでたい場でのひんしゅく行為に「プライベート守ろうよ!」の声
  2. 親が「絶対たぬき」「賭けてもいい」と言い張る動物を、保護して育ててみた結果…… 驚愕の正体が230万表示「こんなん噴くわ!」
  3. 水道検針員から直筆の手紙、驚き確認すると…… メーターボックスで起きた珍事が300万再生「これはびっくり」「生命の逞しさ」
  4. フワちゃん、収録中に見えてはいけない“部位”が映る まさかの露出に「拡大しちゃったじゃん」「またか」の声
  5. スーパーで売れ残っていた半額のカニを水槽に入れてみたら…… 220万再生された涙の結末に「切なくなった」「凄く感動」
  6. 桐朋高等学校、78期卒業生の答辞に賛辞やまず 「只者ではない」「感動のあまり泣いて10回読み直した」
  7. 「これは悲劇」 ヤマザキ“春のパンまつり”シールを集めていたはずなのに…… 途中で気づいたまさかの現実
  8. 「ふざけんな」 宿泊施設に「キャンセル料金を払わなくする方法」が物議 宿泊施設「大目に見てきたが厳格化する」
  9. がん闘病中の見栄晴、20回以上の放射線治療を受け変化が…… 「痛がゆくなって来ました」
  10. 食べ終わったパイナップルの葉を土に植えたら…… 3年半後、目を疑う結果に「もう、ただただ感動です」「ちょっと泣きそう」