独断と偏見で選ぶ! 2011年、ゲーム業界今年の11大ニュース:年末特別コラム(5/5 ページ)
10:鈴木裕氏、GDCでパイオニア賞を受賞
セガを代表する名作ゲーム、「スペースハリアー」や「バーチャファイター」「シェンムー」などの作品を多数開発したことで知られる鈴木裕氏が、アメリカで開催されたGDC(ゲーム・デベロッパーズ・カンファレンス)でゲームデザインのレジェンドであるとしてパイオニア賞を受賞しました。ちなみに鈴木氏は、2003年にもアメリカのインタラクティブ芸術科学アカデミー(AIAS−Academy of Arts and Sciences)が主催するINTERACTIVE ACHIEVEMENT AWARDSの栄誉賞にも選ばれており、また1つ輝かしい受賞歴が増えることとなりました。
筆者が尊敬するゲーム開発者がこうして海外で称えられる一方、国内のマスコミではあまり取り上げられず、ゲームに普段関心がない人にその活躍がなかなか知らるようにならないのは本当に残念なことです。国内で開催している「文化庁メディア芸術祭」でも、すでに「Wii SPORTS」がエンターテインメント部門の大賞を、任天堂の宮本茂氏が功労賞を受賞するなどしているのですが、ノーベル賞や文化勲章でももらわない限りは報道に値しないということなのでしょうか?
また鈴木氏に限らず、そろそろ日本も国を挙げてゲーム業界で功績を残した人を経済産業省や文化庁、クールジャパン室などの機関に有識者として招き、そのノウハウを国全体に還元するシステムをいい加減作ってはどうか? 諸外国の政府が、自国のゲーム産業を積極支援するニュースを見るたびに、筆者はうらやましくてしかたがありません。もし日本でも行政がゲーム業界を本格支援するようになった暁には、ぜひゲームメディアにも温かいご協力をお願いしたいところです(切実)!
11:高橋名人、ハドソンを退社
1982年に入社して以来、ハドソンで長年にわたりゲーム開発や宣伝など大活躍した「名人」こと高橋利幸氏が5月31日に同社を退社しました。とりわけ、ファミコン世代にあたる30代以上のみなさんにとっては、同社のカリスマ的存在である高橋名人がまさか辞めることになるなんてと、さぞかしビックリしたのではないでしょうか。なお、名人は現在ゲッチャ・コミュニケーションズにてご活躍をされていることは、当サイトの読者であればよくご存知でしょう。
何を隠そう、筆者もファミコン世代の真っただ中のオヤジであり、このニュースは寝耳に鉄砲水が飛び込んだかのごとく驚かされました。そして新天地にゲッチャを選ばれたのもこれまたビックリでした。子どもの頃には、当時ハドソンなどが主催していた「全国キャラバンファミコン大会」にも参加した経験があり、今なお忘れがたい楽しい思い出ができたことはいくら感謝してもしきれません。……あ、私が参加した大会は高橋名人じゃなくて毛利名人がゲストでした(笑)。でも、そんな細かいことは気にしない、気にしない!
今後もゲッチャの番組を中心に、すべてのゲームファンの永遠のカリスマとして益々のご活躍を期待せずにはいられません。なお、高橋名人がハドソン時代に築き上げた輝かしい実績は、「高橋名人のゲームは1日1時間!」(エンターブレイン刊)に詳しく載っていますので、興味のある方はぜひお読みになるといいでしょう。
以上、毒弾……もとい独断と偏見で選んだ「2011年:今年のゲーム業界11大ニュース」はこれにてオシマイ。来年は今年以上にゲーム業界が益々発展することを願いつつ、これにて筆者も本年は仕事納めです。今年の出来事の復習や忙しい合間の休憩、あるいはヒマつぶしなどに本記事がお役に立てていたならば筆者としてこれほど嬉しいことはありません。
それではみなさん、どうぞよいお年をお迎えください!
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