コンデジでもCGみたいな超絶カッコいい写真が撮れた――ランボルギーニ撮影裏話ナニコレ

ランボルギーニ「アヴェンタドール」の取材に行ったときのこと。さっそうと一眼レフカメラを取り出した記者は、恐ろしい現実に直面した。このカメラ、いつもより軽いぞ……。

» 2012年01月18日 17時15分 公開
[山本恵太,ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Lamborghini Aventador LP 700-4

 冒頭から手前みそだが、昨年末に掲載したランボルギーニ「アヴェンタドール」のフォトリポートが予想以上に好評だった。実はこの記事、写真はすべてコンデジ(コンパクトデジカメ)で撮影したものだ。最初からコンデジで撮るつもりではなかったのだが、現地で発生したトラブルにより、コンデジの良さを再認識する結果となった。

 取材にはメイン機として一眼レフデジタルカメラ(EOS Kiss X2)と、サブ機としてコンパクトデジカメ(IXY 30S)を持参した。場所は国立競技場で、時間は夜。ライトアップされたアヴェンタドールをたくさんのカメラマンがバシャバシャと撮影していく。

 ほとんどのカメラマンは高そうなレンズを装着した一眼レフを使っていて、自分も負けじと一眼レフで撮影を始めようとしたとき、とんでもない問題に気がついた。バッテリーが入ってない……。充電したまま、本体に戻さないで来てしまったのだ。周りにいるのは車の専門誌の記者や、車の撮影に慣れているカメラマンたちばかり。サブ機のコンデジでアヴェンタドールのカッコよさが伝わるのだろうか。同僚に「俺の写真あげようか?」と言われた瞬間、何かが吹っ切れた。

あきらめたらそこで試合終了

 これだけの被写体を前にスゴスゴと手ぶらで帰るわけにもいかない。せめて最低限の写真は撮って帰ろうと思ってコンデジを取り出した。

IXY 30S

 サブ機とは言ってもこれまでの取材ではかなり活躍していて、例えば「魂フェスティバル 2011」の写真はほとんどサブ機で撮ったもの。製品レビューをさせてもらった際に性能に感心して購入したカメラだが、インタビューなどでさっと人物写真を撮りたいときや、光量が足りない場所での撮影に重宝している。

 コンデジだと一眼のような芸術的なボケは望めないし、少しぼやけてしまうのが難点。しかし、撮影後に画像編集ソフトで補正をかけることで多少はカバーできる。どの写真を使うかは会社に戻ってから考えようと思って、いろいろな構図で数多く撮ることにした。帰り道、せっかくのアヴェンタドールの撮影でミスってしまったと落ち込んだのは言うまでもない。

 しかし、である。帰社してから確認してみると、思っていたよりよく撮れている。それどころかコンデジとは思えないほどカッコよく撮れている。同僚からも「CGじゃないの?」「ポスターみたい」と大好評。そして記事になったのが「圧倒的にカッコいい… ランボルギーニ「アヴェンタドール」日本初公開」だ。



 記事の最初にデカデカと使った写真は、アヴェンタドールの車体がCGのように見えるが、ソフト面での加工はほとんど行っていない。ほかの写真はシャープネスを強くしたり、明るさとコントラストの調整、ノイズが多いときは低減処理を行っている。ちなみに、画像編集ソフトは「JTrim」というフリーウェアを利用している。

お蔵入りになった写真その1。お姉さんが後ろ姿で構図が悪いのと、お姉さんのブレがソフトを使った補正ではカバーできなかった
その2。こちらも構図が悪い。右側にフレアが発生しているのと、全体的に暗いため白飛び部分の補正が難しい
その3。撮影してたらだれか入ってきちゃった。カメラマンがいっぱいいるので、モタモタ撮影してるとこうなる


カメラは使い分けが大事

 一眼レフカメラは撮影場所が暗くて外付けのストロボが必要なときや、時間をかけて芸術性の高い写真を撮りたいとき、高速連写が必要なときに重宝する。一方で、被写体や撮影角度などを変えるたび細かく設定を調整しないと壊滅的な写真になってしまうことがあるため、撮影時間が限られているときは使うのが難しいという欠点もある。いまいちな写真はまだしも、壊滅的な写真は掲載できない。

 コンデジは本体が小さく軽いため、機動性は文句なし。取材陣だらけで撮影場所を確保できない発表会では、背面の液晶画面を頼りに(時には見ずに)上下左右に手を伸ばすことで撮影場所を確保することもあるくらいだ。

 コンデジで100点満点を超える写真を撮るのは難しいが、そういった芸術性の高い写真はニュース記事に必須ではない。暗くなかったりブレてなかったり、最低限のレベルをクリアした写真が必要な数だけ撮れているというのが重要なのだ。

 とは言っても、一眼レフのバッテリーを忘れていなければもっとカッコいい写真が撮れていたかもしれないわけで、今度から予備バッテリーをカバンに入れておこうと心に誓ったのだった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

昨日の総合アクセスTOP10
  1. /nl/articles/2405/18/news004.jpg 「現場を知らなすぎ」 政府広報が投稿「令和の給食」写真に批判続出…… 識者が指摘した“学校給食の問題点”
  2. /nl/articles/2405/18/news066.jpg 「なぜ今になって……」 TikTokで“15年前”の曲が大流行 すでに解散の人気バンド…… ファン驚き 「戸惑いが隠せない」
  3. /nl/articles/2405/18/news055.jpg ガチ“別人級”……凄腕メイク術駆使したビフォアフが「日本の頂点」と話題、“フォロワー数580万人”の美容系インフルエンサー
  4. /nl/articles/2405/18/news003.jpg 0歳娘がはじめて歩けた瞬間、パパの顔を見て…… 号泣必至の“表情としぐさ”に「やったねえ!すごいねえ!」「かわいくて涙が」
  5. /nl/articles/2405/15/news106.jpg 「二度と酒飲まん」 酔った勢いで通販で購入 → 後日届いた“予想外”の商品に「これ売ってるんだwww」
  6. /nl/articles/1611/04/news117.jpg 「ヒルナンデス!」で道を教えてくれた男性が「丁(てい)字路」と発言 出演者が笑う一幕にネットで批判続出
  7. /nl/articles/2405/18/news023.jpg 死んだはずのスズメバチ、お尻をよく見てみると…… 「亡者の執念発動してますね」「だから怖いんだよな」油断できない生命力におののく声
  8. /nl/articles/2405/18/news068.jpg 『HUNTER×HUNTER』の冨樫義博がXで怒り 立て続く“誤配”で「三度目です」「次はもう知らん」
  9. /nl/articles/2405/17/news026.jpg トリミングでシーズーを「ハムスターにしてください」とお願いしたら…… インパクト大の完成形に「可愛いーーー」「なんて愛おしい鼻毛カール」
  10. /nl/articles/2405/17/news022.jpg 妻が作ったキャラ弁にフランス人夫と3歳娘が大爆笑! 「怖い」と言われた完成形に「蓋開けた瞬間w」「一緒に笑っちゃいました」
先週の総合アクセスTOP10
先月の総合アクセスTOP10
  1. 庭に植えて大後悔した“悪魔の木”を自称ポンコツ主婦が伐採したら…… 恐怖のラストに「ゾッとした」「驚愕すぎて笑っちゃいましたw」
  2. 小1娘、ペンギンの卵を楽しみに育ててみたら…… 期待を裏切る生き物の爆誕に「声出して笑ってしまったw」「反応がめちゃくちゃ可愛い」
  3. 生後2カ月の赤ちゃんにママが話しかけると、次の瞬間かわいすぎる反応が! 「天使」「なんか泣けてきた」と癒やされた人続出
  4. 「歩行も困難…言動もままならず」黒沢年雄、妻・街田リーヌの病状明かす 介護施設入所も「急激に壊れていく…」
  5. 車検に出した軽トラの荷台に乗っていた生後3日の子猫、保護して育てた3年後…… 驚きの現在に大反響「天使が女神に」「目眩が」
  6. 「虎に翼」、新キャラの俳優に注目が集まる 「綺麗な人だね」「まさか日本のドラマでお目にかかれるとは!」
  7. 釣りに行こうとしたら、海岸に子猫が打ち上げられていて…… 保護後、予想だにしない展開に「神様降臨」「涙が止まりません」
  8. 身長174センチの女性アイドルに「ここは女性専用車両です!!!」 電車内で突如怒られ「声か、、、」と嘆き 「理不尽すぎる」と反響の声
  9. 築152年の古民家にある、ジャングル化した水路を掃除したら…… 現れた驚きの光景に「腰が抜けました」「ビックリ!」「先代の方々が」
  10. 「葬送のフリーレン」ユーベルのコスプレがまるで実写版 「ジト目が完璧」と27万いいねの好評